遺言書

遺言書は自分の死後に財産をどのようにしてほしいかを指定して、自分の死後に何をしてほしいかを相続人に伝えるものです。

家の家族はみんな仲が良いから揉める心配はない!

大した財産はないから大丈夫!

 

 

それ、本当に大丈夫ですか?

 

●大金持ちでなくても争族になる?

 

統計では、財産総額5,000万円以下の家事裁判・調停の件数が最多になっています。

●一人の子に多く財産を残したい

 

事業を継いでもらうから、障害を持っているからなどの理由で他の兄弟姉妹よりも多く財産を残してあげたい場合

にあらかじめ財産の分け方を指定することができます。

 

 

 

●相続人ではない人に財産を譲りたい

 

長年夫婦として暮らしてきたが入籍をせずに今まで来てしまった、長年面倒をみてくれた嫁にも財産を譲りたいなどの場合、そのままだと相続人ではないので何も残してあげることができません。

 

 

 

また、昔お世話になったところに寄付をしたいなどの場合もそのままでは寄付がされることなく相続人同士のみで遺産分割がされてしまうかもしれません。

 

●家と土地は配偶者に残したい

 

歳をとった配偶者に家と土地は残して住むところに困らないようにしておきたい場合、何もしていなければ法定相続分通りの遺産分割がされてしまうかもしれません。

 

●子の一人は留学をしてその費用を負担してあげたからその子以外の子に多く財産を残してやりたい

 

相続人のうち一人だけ大学の進学や留学の費用を出してもらった、借金の肩代わりをした、仕事がうまくいかず生

活に困っていたから援助したなど、生前に費用負担や贈与をしていた場合、費用負担や贈与をしてもらっていない

相続人が不満を抱くかもしれません。

 

 

●相続人同士の関係が複雑

 

腹違いの兄弟姉妹や家族に知られていない認知した子がいる、養子縁組をしていたなど相続人同士があまり交流

のない場合、話し合いの場を作ること自体が難しくなってしまうかもしれません。

  

 

遺言書を作成すれば、争族の予防やご自身の財産の行方を思うように決め、望むことを伝えることができます。

 

遺言書に書いておけば次のことができます。

    相続分の指定や遺産分割方法の指定

    特別受益の持ち戻しの免除

    推定相続人の廃除

    遺贈

    子の認知

    遺言執行者の指定

    祭祀承継者の指定

 

法的拘束力はありませんが、故人からの願いということでほとんどの場合に叶えてもらうことができます。

    葬儀や納骨の方法

    家族へのメッセージ

 

家族へのメッセージについては、財産の分け方をどうしてこうしたのかという理由などもあわせて書いておくと相続人同士が揉めるのを防ぐことに役立ちます。


遺言書の種類

 

●公正証書遺言

●自筆証書遺言

●秘密証書遺言

 

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で作成します。(入院中や身体が不自由などの場合、出張してもらえます。)

公証人は元裁判官など法律知識が豊富なので、不備のない遺言書が作成できます。

また、原本が公証役場に保管されるので失くしたり、汚れて読めなくなったりという心配がありません。

ただし、公証役場へ支払う手数料がかかります。

手数料は、財産の総額や相続人の人数によって変わります。

また、望む通りの遺言書の文案ができたら公証役場で署名押印をして完成しますが、この時に証人2人が必要になります。

 

自筆証書遺言

自筆証書は、全文をご自身で手書きして作成するものです。(財産目録のみパソコンなどで作成OKです。)

紙とペン、印鑑があれば作成できるので費用がほぼ掛かりません。

ただし、公正証書遺言よりも手軽に作成できる分、不備があり相続が始まってから無効なものとして、実際の手続きで利用できないケースがあります。

また、自身で保管するので、失くしてしまったり、汚れて読めなくなったりする心配や遺言書があることを誰にも伝えていなかったために、相続人が見つけられず、相続手続が終わってから数年後に遺言書が見つかったというケースもあります。

相続開始後、相続人は家庭裁判所で検認の手続が必要になります。

 

遺言書保管制度

法務局に自筆証書遺言を保管してもらうことができます。

法務局に保管してもらうので失くしたり汚れたりの心配がなくなります。

また、遺言書保管制度を利用した場合、相続人は検認の手続きをしなくて良くなります。

ただし、直筆で書かれているか、押印があるか、日付が入っているかなどの簡略的な確認はしますが、内容についての確認は行わないため、不備のない遺言書かどうかという証明にはなりません。

 

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言書の内容を一切秘密にしたまま、公証役場に遺言書があるという事実だけを証明してもらうものです。

内容を秘密にでき、遺言書の存在は証明してもらえますが、内容を誰も確認しないため、無効なものにならないよう作成時には念入りな確認が必要になります。

また、11,000円の公証役場への手数料と証人2人が必要となります。

よほどのことがない限りこの方法はお勧めできません。

相続開始後、相続人は家庭裁判所で検認の手続が必要になります。

 

 

遺言書を作りたいけど、考えがなかなかまとまらない・・・

種類があるけど、どの形式にすれば良いかわからない・・・

作ってみたけど、問題ないか自信がないから専門家に見てほしい…etc

 

みらいデザイン相談室では、文案の作成や確認、最適な形式がどれなのか等のご相談にお応えいたします。